相続の落とし穴 配偶者控除

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2017年03月09日 コラム番号:841

配偶者の税額軽減(配偶者控除)

被相続人と婚姻の届出さえしていれば、婚姻期間に関係なく適用されます。
たとえ、1日であっても正式な婚姻関係にあれば、控除を受けることができます。
配偶者控除の目的は、残された配偶者の老後生活を守る為、配偶者同士は年齢が近い事を考えて相続が2回発生する事も考えられる事より税額控除が設けられました。

配偶者控除の金額

配偶者の課税価格が1億6000万まで
課税価格が1億6000万を超えても配偶者の法定相続分までが控除額です。
例えば、配偶者が1億円を相続した場合、1億6000万までは非課税になりますので、相続税はかかりません。
配偶者の法定相続分が3億円で3億円の相続をした場合には、配偶者控除を適用すると法定相続分は非課税になりますので相続税はかかりません。

配偶者控除の大きな落とし穴

配偶者は相続税がかからないように見えますので、多くの遺産を配偶者に相続して貰えば相続税が軽くなると考えがちですが、相続は1次相続と2次相続を合わせて相続と考えなければいけません。
1次相続とは夫婦のどちらかが亡くなった時の相続、2次相続とは残された者が亡くなった時の相続です。
相続税は1次と2次を合計したものが本来の相続税です。
相続税対策をする場合には2次まで考えないと意味がありません。
1次で配偶控除を適用し相続税をゼロにしたとしても、その相続した分が次に子供の相続の時に多く相続税を払わないといけなくなる場合があります。

相続の落とし穴 配偶者控除 イメージ1

相続人:配偶者・子2人(合計3人)
遺産総額(第一次相続の時):1億6,000万円

「第一次相続」の時は法定相続人が配偶者と子2人の合計3人なので、基礎控除の額は
3,000万円+600万円×3人=4,800万円 です。
しかし、その後、配偶者が死亡して「第二次相続」が発生する時は、法定相続人が子2人なので、基礎控除の額は
3,000万円+600万円×2人=4,200万円 です。
この事例で、配偶者の相続分を100%(1億6,000万円)にして「配偶者控除」で相続税を「0円」にした場合と、そうしないで配偶者の相続分を法定相続分通りの8,000万円にした場合とを比較してみましょう。

第一次相続で配偶者の相続分を100%(1億6,000万円)にして「配偶者控除」で相続税を「0円」にした場合
■第一次相続の時
4,800万円の基礎控除がありますが、子2人にそもそも相続分がなく、配偶者も「配偶者控除」によって相続税が「0円」なので、結果的に4,800万円の基礎控除のメリットが全く受けられないということになります。
つまり、せっかくの基礎控除が「空振り」ということです。
■第二次相続の時
子が配偶者から相続する額は1億6,000万円になってしまいます。
そして、ここで初めて、4,200万円の基礎控除のメリットを受けられるだけです。
結局、子の世代になって相続税の負担が重くなってしまうというわけです。

第一次相続で配偶者の相続分を8,000万円(1/2)にした場合
■第一次相続の時
4,800万円の基礎控除が受けられ、また、配偶者は、「配偶者控除」で相続税がゼロになります。
つまり、基礎控除のメリットと「配偶者控除」のメリットをダブルで受けられるということです。
■第二次相続の時
子が配偶者から相続する額は8,000万円です。
しかも、4,200万円の基礎控除が受けられます。
つまり、第一次相続、第二次相続を通じて、最終的に、合計9,000万円の基礎控除のメリットが受けられるのです。
したがって、第一次相続で「配偶者控除」目当てで配偶者の相続分を多くすると、第二次相続の時にかえって損をしてしまうリスクがあります。

昔は、配偶者との年齢は近い方が多かったですが最近では年の差婚20歳という方もいます。
仮に1億6000万を年の差20歳の方に相続したとして1億6000万÷20年=800万/年。
生活費、家賃、旅行となると財産を使い果たす事もできるかもしれません。
どちらにせよ、配偶者控除を上手使って相続税に多く取られるのではなく被相続人の思いとして残された方が相続財産の上手な使い方をして頂ければと思います。
相続財産の申告は、経験のある税理士にご相談ください。
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