現金と不動産の相続評価の違い

  • 竹清嘉晃FP マスク

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2019年05月30日 コラム番号:2,424

現金と不動産の特徴

相続の時に揉める理由の一つとして、相続財産のうち、不動産の割合が多いことがあげられます。

相続財産に不動産が多いという事は、不動産は分けづらい財産の1つなので、相続人同士で均等に相続財産を分けることが難しくなります。

現金・預金でしたら相続人の間で分けることも簡単にできます。
例えば100万円を2人で分ければ50万円ずつ渡せば済みます。

また、現金・預金は金額がはっきりしているので、いくらあるか?というのはとてもわかりやすいです。
例えば100万円を現金で持っていたら、それは当たり前ですが100万円を持っていることになります。

また通帳を記帳すれば今、口座に預けている金額はすぐに分かります。

このように現金・預金は、金額もわかりやすく分割もしやすいのでその点ではとても良いです。

では不動産の場合はどうでしょうか?

まずは不動産の金額ですが、そもそも不動産の金額は何を元に決めればいいのでしょうか?

不動産会社に売却の査定をして貰う必要があるのでしょうか?それとも別の方法があるのでしょうか?まずこの時点で不動産は金額が分かりづらいです。

また1つの不動産を2人や3人など複数の相続人で分けるにはどうすればいいでしょうか?

方法としては不動産を複数人で共有することも可能ですが、共有は後々の相続トラブルにも発展する可能性が高くなるので基本的にはおすすめしません。

このように不動産は現金・預金と違って金額も分かりづらいですし、分けることも容易ではないです。

現金と不動産の相続評価の違い イメージ1

相続時の不動産の評価方法

では不動産を売却してすべて現金にしてしまえば良いのではないか?と考える人も多いかもしれません。

もちろんそれも1つの方法です。

では、なぜ相続対策では不動産を活用するのが良いなどと言われるのでしょうか? 

その理由の1つに現金と不動産では相続時の評価額が異なることがあげられます。

相続税の節税を考えると、現金・預金はそのまま持っていると節税は出来ません。

現金・預金は先に記載したとおり、相続時の評価は額面の金額がそのまま評価額になります。

しかし、不動産は評価の仕方が異なります。

土地は相続財産の評価時は基本的に路線価で計算します。

路線価とは道路に面した標準的な宅地1平方メートルあたりの土地の評価額で、国税庁が毎年8月頃に発表しています。

路線価が公表されていない地域は倍率方式という方法で計算します。

路線価を見たことない人のために国税庁の路線価が掲載されているページのリンクをつけておきます。

もしよかったら目を通してみてください。

【財産評価基準書路線価図・評価倍率表】
http://www.rosenka.nta.go.jp/


土地を路線価で評価すると時価の約8割になります。

建物は固定資産税評価で評価します。

建物を固定資産税評価で評価すると時価の約6~7割と言われることが多いです。

例えば1億円で不動産を購入すると

建物 5,000万円×0.7=3,500万円
土地 5,000万円×0.8=4,000万円

となります。

現金で1億円だったのに、不動産になると土地・建物を合わせて7500万円となり25%評価額が下がります。

よって、現金で持つよりも、不動産で財産を持っていると評価額が下がり節税になります。

このように現金と不動産では相続時の評価方法は違ってきます。

現金よりも不動産に変えたほうが相続税の節税になる理由の一つは、このようなことから言われています。

現金と不動産の相続評価の違い イメージ2

不動産の相続対策は慎重に

しかし、評価額が不動産のほうが現金・預金より低くなるからといって、なんでもかんでも現金を不動産に変えてしまうことはおすすめしません。

先述したように不動産のデメリットは相続人の間で分けづらい事があげられます。
相続税対策として不動産を活用することは良いですが、まずはきちんと相続人間で揉めないような相続にする対策が大事です。

また、不動産は一度所有すると額も大きいですし、20年30年と所有することも多いです。
例えば投資用で物件を所有した場合、今は良いかもしれませんが20年30年後にきちんと収益を生み出す不動産かどうかもよく見極める必要があります。

相続税で節税できても、不動産で損をしたら意味がありません。

しかし、不動産の相続時の評価額が現金・預金より低いことはとても良いことだと思うので、うまく不動産を活用してみてください。

現金と不動産の相続評価の違い イメージ3

コラム執筆者

  • 不動産相続を得意としてます。不動産相続の手続きや対策は法律、税金、不動産、保険と幅広い知識と経験が必要であり、税理士、弁護士、司法書士...