相談番号:1,587
相談者:未来21C (兵庫県)
土地家屋調査士行政書士小林大栄 行政書士
配偶者居住権はその配偶者が誰が相続しようと、その家に住み続けることの出来る排他的権利である。遺言でだれが取得しようと、居住権は廃除されません。
宇井 勝 行政書士
改めましてこんにちは。
ご質問頂いている配偶者居住権ですが、条文で同権利が成立しない場合として、「被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合」との文言を置いています事から、ここから判断すれば、ご指摘頂いております通り、目的の建物が夫婦間で共有状態にある場合につきましても配偶者居住権を設定する事自体は妨げられない事になるかと思われます。従いまして、ご相談者様がお住まいのマンションにつき、今、仮に御自身の持分に関する配偶者居住権を設定したとしますと、相続の結果、当該持分はご子息様が相続する事で建物は奥様とご子息様の共有状態となる一方、奥様は配偶者居住権を取得する事で、実質的に当該建物を排他的に利用し得る地位を得る形になると考えられます。
しかしながら、配偶者居住権創設の目的として、立法者が相続財産における不動産部分の価値を抑える事で、預貯金等の他の相続財産の相続割合を増加させられる点を指摘しております通り、ご相談者様の事例におきましても、仮に奥様がご相談者様の持分を相続するとした場合に比べ、持分相当の配偶者居住権を引き継がれる形とした方が、他の相続財産を奥様が受け取られる余地を広げる事には繋がるかと思われます。ですが、共有とは言え、奥様は既に当該建物の所有権を取得しています事から、ご相談者様の持分をそのままご子息様が引き継がれたとしましても、奥様はご自身の持分に基づいて建物を利用する事が可能ですので、その意味では、敢えて配偶者居住権を設定なされる必要性は乏しい事にもなるかと思われます。
もっとも、共有状態では建物の管理等で何かと不都合が生じやすい事も又事実ですので、その意味では配偶者居住権を設定して実質的に排他的な利用を可能としておかれる事にもそれなりの合理性が存在する事にもなるかと思われますが、反面、配偶者居住権を取得なされる事となれば、その分、預貯金等のその余の財産の相続の余地は狭められる事にもなりますので、そのような側面も御考慮に入れて頂いた上で、設定の是非につき御検討頂ければと思います。
それでは失礼致します。
福田 隆彦 行政書士
未来21Cさんへ
自宅の居住権は、夫婦が居住していて一方が天寿を全うした場合に、残された配偶者の居住を認める制度とされていますのでその自宅を配偶者以外の者が相続したとしても、残された配偶者の居住権を認める制度です。従って、共有持分での割合がどういうものであっても関係なく残された配偶者に認められることになります。
法律の改正で「配偶者居住権」が来年に新しく設定できると聞きました。
現在住んでいるマンションの所有権は私50%、妻50%です。
遺言で私の所有権を息子に相続させると書き、私の所有権50%に対して配偶者居住権を妻に遺贈すると書いたとします。
この場合結論として
息子は50%の所有権を取得する。
妻は50%の所有権と50%の配偶者居住権を取得している状態になると思います。
①この解釈で正しいでしょうか。
②このような状態はなにか問題になる可能性がありますでしょうか。
③私の50%の所有分の配偶者居住権を設定する遺言の書き方を伝授ください。
以上ご教授よろしくお願いいたします。。